小杉放菴記念日光美術館について

小杉放菴記念日光美術館は、「自然へのいつくしみ」を基本テーマに、栃木県日光出身の画家・小杉放菴(1881-1964)の多彩な才能と、日本の近代美術史上における広範な人々との影響関係を紹介するための市立美術館として、1997(平成9)年10月に開館しました。
日光の豊かな自然と調和した美術館の建物は、放菴の生き方をコンセプトに設計されており、ご遺族から寄贈いただいた約1,200点の寫生画を含む放菴の作品をコレクションの中心としています。
放菴が生まれ育った日光の地は、古くから日光山や東照宮の門前町として繁栄し、明治以降も多くの外国人や文化人が訪れる国際観光地として賑わいました。とくに東照宮の建築に代表される芸術美と、華厳滝や中禅寺湖といった自然美との強烈な対比は、遠く欧米にまで知られて、内外の文化人たちに大きな影響を与えています。このような、近代日光の豊かな自然と優れた文化的な背景についての調査と研究もまた、当館が開館以来、力を入れてきた事業のひとつとなります。
また、2012(平成24)年8月、日光市は同年3月をもって解散した財団法人国立公園協会から、国立公園をテーマに描かれた絵画80点を寄贈いただきました。これは、日本で「国立公園」という制度をつくる構想が、明治時代の末に、当時の日光町からの請願によって始まったことや、実際の指定に際して、放菴も深く関わっていた由縁によるもので、寄贈された国立公園絵画は当館に収蔵され、展示事業に幅広く活用されています。
さらに、当館は展示事業だけでなく、音響効果に優れたエントランスホールを活用したコンサートや、美術に親しむための講演会、絵画鑑賞教室、ワークショップの開催など、教育普及事業にも力を入れ、身近な教育文化施設として、多くの方々にご来館いただけることを目指しています。