ごあいさつ

このたび、一般財団法人 地域創造の助成による平成29・30年度市町村立美術館活性化事業の第18回共同巡回展として「小杉放菴記念日光美術館所蔵 絵画で国立公園めぐり―巨匠が描いた日本の自然―」をはつかいち美術ギャラリー(広島県)、瀬戸市美術館(愛知県)、小金井市立はけの森美術館(東京都)、釧路市立美術館(北海道)の全国4会場で開催します。 アメリカ合衆国で生まれた国立公園の理念や手法を取り入れ、1927(昭和2)年には、国立公園の制度づくりや啓発活動を行うため、国立公園協会が設立され、その候補地を絵画で紹介する「国立公園洋画展覧会」の開催が企画・実施されます。そして、当時を代表する洋画家たちに絵の制作の委嘱を行い、26点が完成し、1932(昭和7)年に東京や大阪などで展覧会が開催され大好評を博しました。その後、1934(昭和9)年に日本において初めて国立公園が指定されますが、国立公園絵画は随時内容の充実が図られていき、最終的には80点のコレクションとなり、国立公園協会の所蔵として活用されていきました。2012(平成24)年に「財団法人国立公園協会」が解散するに際し、国立公園制度と日光との強い繋がりや、国立公園内に所在する数少ない公立美術館であることなどから、この全コレクションが小杉放菴記念日光美術館に寄贈されました。 この国立公園絵画は、文化勲章受章者12名、文化功労者10名、その他も日本芸術院会員など、名実共に日本の近代洋画界を代表する画家たちが、国立公園協会からの依頼によって制作した国内有数の風景画コレクションといえます。それらの作品は、自らの所属する団体の枠を超えて制作したものであり、その作品1点1点には、その画家の特徴や制作された時代の雰囲気などもよくあらわされており、日本近代洋画史の流れを辿ることができるといっても過言ではありません。 巨匠が描いた絵画を通じて、日本の自然の豊かさや多様性をご覧いただき、日本各地の国立公園めぐりをお楽しみください。 最後になりましたが、本展開催にあたり多大なるご助言と貴重な所蔵品をご出品いただきました小杉放菴記念日光美術館、助成を賜りました一般財団法人 地域創造、並びに関係各位に厚く御礼申し上げます。